問い1
事例Ⅰでは紹介された仕事において「対立する」ことが不安だとする気持ちに焦点をあてずに、CCtの主観で説得しようとしているほか、新しい仕事に挑戦すれば主人を見返せると見当違いの励ましをしており、一向に面談が進展せず相談者が戸惑う展開となっている。事例Ⅱでは、「制度を変えると対立すると思う」とのCLの考え方の背景を探り、前職での制度変更時の経験を引き出し、「やり方を変えると対立するか」と問いかけることにより、自問自答を促している。「その時のことを思い浮かべるとできないと思ってしまう」とするCLの気持ちを受容しながら、「制度を変えることの意味は理解している」と指摘することで「対立することから逃げる」自分に相談者が気づく展開となっている。(315字 52.5字/1行)
問い2
相応しくない
「新しいことを始める前は誰でも不安で考えすぎ」とCCtのものの見方で一方的に見解を述べており、CLが「考えすぎでしょうか」と抵抗する様子が見られるため。(73字36.5字/1行)
相応しい
「制度変更などやり方を変えることは対立することか」と問いかけることにより、CLが過去の経験による自分の考え方への自問自答につながる展開となっているため。(75字37.5字/1行)
問い3
税理士先生の「これからですね」という言葉に「今から新しい世界が広がるんだと少し明るい気分になりました」(CL2)と前向きな気持ちを抱きながらも、前の会社での経験から「制度を変えることは対立すること」という思い込みが生まれ、そこに恐怖心を抱き「自分は指導することは苦手」(CL3)「できないと思ってしまった」(ⅡCL9)とし、自身の持つ能力・経験・スキルを適切に評価しておらず期待に応えられないと考えている。「変えることの意味は分かっているが避けている」(ⅡCL10)と認識しながらも、できない自分に揺らいでいる点が問題だと思われる。(246字49.2/行)
問い4
CL11の「周りを気にすることで人の役に立ったり、家庭を守ったりして、頑張ってきた自分もいますよね」という発言に対して、相談者の気持ちの変化を指摘しさらに内省を促す。「制度を変更することの意味やメリット」について整理し仕事の意義を認識し、「制度を変えることは対立すること」という思い込みを修正する支援を行う。「今から新しい世界が広がるんだと少し明るい気分になりました」について言語化を促すとともに、自分への期待と、これまでの経理事務の経験を振り返り自分の知識、経験、スキルを整理、新しい職場での活かし方を検討し、自己効力感を高める支援をする。相談者が仕事を受諾し、前向きに業務に励めることを目標とする。(298字49.6字/1行)