CLの問題点の見立て③
感情表現に注目する
CLの主訴や問題点を引き出すためには事柄ばかりをやりとりしていても面接は深まらず、CLの主訴や問題点は見えてきません。感情のなかに問題点を把握する糸口があり、「感情を聞いてください」「感情を深堀りしてください」という指摘がなされるのはそのためです。
論述においても感情表現が記述されています。例えば、第14回の論述試験には、
キャリ協‥「ドッキとした」(CL1)「不安です」「捨てきれないというか…」(CL2)
JCDA‥「寂しさを感じました」(CL5)「ちょっと卑屈な自分を思い出して寂しくなりました」(CL6)などと表現されています。
面接でもCLが発する感情表現にCCがどうかかわるかがポイントで、「そう感じた時の経験、きっかけを聞く」「感情の明確化を図る」「意味の反映をする」などを行い感情の深掘りをしていきます。JCDAの論述ではこうしたやりとりが細かく表現されています。両団体の過去の論述の逐語・事例記録のやりとりは参考になり、面接で応用できると考えられますので研究してみてはどうでしょうか。
多くの受験生は面接において、「感情を聞けない」「感情を深めるやりとりがわからない」と訴えられますが、それは「次の質問を考えることに意識が偏り、CLの会話に集中できておらず聞き逃している」ことが主因であり、本番試験でもCL役がいろいろとサインをだしても受験生にスルーされるとの話があります。
もうひとつは「深堀するためのやりとりの方法の理解とバリエーションが少ないため」と考えられ、面接が一問一答で終わるケースが多く面接が深まらないことになります。
レッスン指定の「振り返りシート」で「感情表現を数えてみてください」とご提案したら、あるレッスン生は「数えたら30もあり、ほとんどスルーしていました」としきりに反省されていました。
レッスンでは論述の答練に加えて、ロープレについても「振り返りシート」をもとにセルフチェックを行っていただきます。シートには当方からコメント、アドバイスをしていき、感情のかかわり方についてスキルアップを目指します。