CLの問題点の見立て②
CLの問題点についての整理と理解
前回、CLの問題点の代表例として「思い込み」「自己理解不足」「仕事理解不足」「情報不足」「コミュニケーション不足」「プランの欠如」などをあげました。
多くの相談者は転機を受け、思い込み・認知の歪みが発生していることが多いと思います。認知の対象は「自分・第三者・問題」に対する認知が歪んでいるということです。例えば、上司から叱責を受け納得いかないCLは「上司は自分のことが嫌いだ」「上司は自分のことを理解していない」との思い込み、「そうした上司とは話しても意味がない」として対話も避けるようになります。その結果、「上司が叱責した理由やCLに何を求めているか」を理解することもできず、求められている役割、期待などの仕事理解が不十分となり、どのように行動すべきかもわからなくなり自己理解の不足にもつながるということです。
また、学びが進むと受験生から以下の質問をされることがあります。「自己理解はいろいろな種類、パターンがあるように感じるんですけど・・」「自己理解と仕事理解の区別がつかないケースがあるんですけど・・」といったものです。
前段の指摘は、たとえば自己理解不足を例にとると、「自分の興味・関心・能力などを把握しておらず自分の適性について理解できていない」「自分の理想を語るが具体性がなくどうしたいのかわかっていない」というように同じ自己理解不足でもいろいろパターンが存在します。
レッスン生の初期の論述の解答のなかには「〇〇という発言からCLは自己理解不足だと思われます」というものがあります。この解答は不十分だと考えられます。根拠はありますが不足の具体的な内容が書かれていないためです。前述の文例に加筆すると「CL3の「〇〇」という発言から自分の理想とする働き方について具体性がなく自己理解不足だと思われます」。
以上の点は仕事理解やコミュニケーション不足なども同様であり、各問題点の具体的パターンを整理しておくことがポイントと考えられます。
後段の指摘は、自己理解と仕事理解は表裏一体であることからくると思わます。
例えば、CLが管理職の仕事が思うようにできないことに悩んでいる場合、「管理職に求められている職務内容、責任などについて理解できていないため仕事理解不足が感じられる」と書ける一方で、「管理職として自分がどのように行動すべきかが理解されておらず自己理解不足と思われる」とも書けます。
このようにひとつの問題でもとらえ方により変わり、書き分けができるようにすることもポイントであると思わます。
なお、〇〇不足と書かなければいけないかと質問されることもありますが、〇〇不足と書かなければならないわけではありません。書きづらければ「自分の適性に迷いが生じている」「自分の強みの整理ができておらず把握していない」といった言い回しで十分です。
レッスンではCLの問題点を分類し、各問題点のパターンを整理した資料を提示・解説し理解を深めていきます。