【解説】
営業からのクレーム、上司からの叱責により、相談者には自分の仕事の進め方に迷いが生じたようです。背景にはCLの「まず自分でやってみることを大事にするという考え」があり、その考えが周囲に相談することを躊躇させ今回の事態に至ったようです。相談者の価値観を尊重しつつ解答を作成してみました。
問い1
事例Ⅰでは「他の人に相談するのをためらう自分に」疑問を呈したCLに、CCtの固定観念で持論を展開し、さらには「自分でやろうとすることはいいことだ」と励ましCLの自己探索を妨げている。「何か考え方を変えないといけないですよね」というCLに「上司・同期」といった事柄に話題を展開し面談が深まっていない。事例Ⅱでは、CL7を受けて「相談することをためらう」というCLの姿勢に好意的関心を持ち、経験の再現も交え自己探索を促した結果、内省が始まり「能力がないと思われるのが嫌だった」「弱さを見せたくないかもしれない」というCL自身のものの見方に気づく展開につながっている。(275字)
問い2① 相応しくない
「何か考え方を変えないといけないですよね」というCLの発言を受け止めず、CCtの主観で「上司のあるべき姿」を言及し、CLの自己探索を妨げているため。(71字)
問い2③ 相応しい
「能力がないと思われるのが嫌だったかもしれません」とのCLの発言を受け「思いの裏にはそういう気持ちがあるのか」と問いかけ「弱さを見せたくない」とのCLの内なる感情を引き出しているため。(92字)
問い3
「もっと早く相談しろ!」「自分一人で何でもできると思うな」との上司の叱責に「クレームが起きたり、周りに迷惑をかけると思い、自分の仕事の進め方に自信がなくなってきている」と仕事の進め方に迷いが生じている。「他の人に相談するのをためらう自分もいます」「上司や先輩に相談しようと思うが邪魔をしてはいけないと思い」とし周囲との相談や助言を積極的に求めず意思疎通が図れていない。結果として周囲の期待に応える適切な業務遂行ができていない。以上が問題と思われる。(224字)
問い4
CLの「まず自分でやってみることを大事にする」という考えを承認、尊重しつつ、CL12の「自分の弱さを見せたくないからかもしれませんね。そんなに自分を守る必要があるのかな」についてさらに内省を促し、特に、相談することが弱いことなのかを考えてもらう。CLの仕事についての営業からのクレーム、上司の叱責について再考し、どこに原因があったのか、周囲の関係者はCLに何を求めているかを一緒に考え整理する。これまでの仕事の進め方を振り返り、より業務を適切に遂行するための仕事の進め方の改善を考える。あわせて上司、先輩に助言を求める。以上をもってCLが自信をもって仕事を遂行できるよう支援する。(285字)
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